耳の中の毛を切るカンシ

 耳の中の毛を処理するときに使う、便利なアイテムを手に入れました。正式名称は不明なので、ペットサロンキキでは「耳の中の毛を切るカンシ」と呼んでいます。毛を切るといっても先端に鋭利な刃がついているわけではないので安心して使える優れものです。

 この新しいアイテムにより「耳の中の毛を切る」という施術方法が加わりました。従来のように毛を挟んで抜くのではないため「毛を切る」だけです

●耳の中の毛を抜かれるのが苦手で肩をすくめて無言の抵抗をしてしまうコ
●暴れてしまい両耳の毛抜きに10分はかかってしまうコ
●毛を抜いたときの刺激に耳内皮膚が反応してしまい、待機中または帰宅後に耳を掻きむしり自分で血を滲ませてしまうコ
●耳道がみえないくらいに耳の中の毛がボサボサに伸びてしまっているコ、タンポポの綿毛のようにびっしりと毛が詰まっているコ
●シニアのコで時間をかけられないとき

 上記のようなデリケートな耳のコに対しても安心して使え、スピーディーに施術できるようになりました。結果として、犬の負担とリスクが軽減され、犬が楽にグルーミングを受けられるようになりました。

:外耳炎、中耳炎を患っているコ、、耳の入口が見えないくらいに耳道が異常に厚くなっているコ、悪臭とともにベトベトの膿が出ているコ、触れるだけで痛がる・攻撃的になるコなど場合は、ペットサロンキキでは耳掃除を行いません。獣医さんで治療を行ってください。

自分に使用してみた結果

 ペットサロンキキでは新しい道具やシャンプーなどはトリマーが自分に試して安全性と使用時のコツを確認しています。今回はこの耳の中の毛を切るカンシ(耳毛カンシ)を使ってみました。

 自分の二の腕の柔らかくて皮膚が切れやすい部分に、この耳毛カンシのカーブしているところを皮膚にあて、実際に犬の耳内の毛を切っている状況をイメージしながら上下左右に動かしてみました。

 結果は、耳毛カンシが皮膚から良い具合に逃げていくため、皮膚を挟む心配がありませんでした。悪い結果も得たいため、あえて先端を皮膚に対して垂直に立てて皮膚を深めに挟んでみました。皮膚を切ることはありませんでしたが痛みはありました。加えて、先端を広く大きく開いて使用したら「耳毛カンシの根本」の部分で皮膚を挟みました。

 良い・悪い結果を踏まえて犬にとってメリットが大きい道具と判断して現在使用しております。

 従来の耳の中の毛を処理する方法

1.カンシと呼ばれる道具で耳の中の毛をはさんで毛の生えている方向に抜く方法。
2.超小型バリカンの刃(刃幅1〜3センチ)を耳の肉の凹凸に合わせてバリカンで浮かして刈り、最後にカンシで毛を抜く方法。

どちらの方法も神経を使う作業であり、犬にも負担とリスクが伴う方法でした。

 毛をぬいた瞬間に犬が飛び上がってしまい、カンシが耳の深い部分(垂直耳道)に刺さりそうになりヒヤッとすることもあります。耳内皮膚がデリケートなコの場合は、耳の中の毛を必要以上に抜いたことによって皮膚が傷つき、そこから耳内が病んでしまうこともあります。また、毛を抜いた刺激に反応して自分で耳を掻きむしって血を滲ませてしまうコもいます。状況によっては超小型バリカンを使って毛を刈ることもありますが、バリカンの振動音に慣れていないコの場合は動きますから怪我をさせるリスクが高いです。

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